「熊野筆®」の魅力とは?伝統と革新に取り組む手仕事

 

国の伝統的工芸品で団体商標にも登録される「熊野筆®」は、熊野筆事業協同組合による厳しい管理ルールに則りその加盟事業者が製作する筆です。

伝統技術を活用し手作業で作られる熊野筆®は、書道用の毛筆や絵画用のみならず、近年はメイク用の化粧筆の確かな品質が、世界のユーザーから高い評価を得てきました。

今号では、熊野筆®の伝統技術と洗練されたデザインが融合した、新時代のブラッシュブランド「SHAQUDA」が、熊野筆®の歴史や化粧筆としての魅力、ブランドの特徴、選び方やお手入れ方法までをお伝えいたします。


熊野筆®とは

- 世界が認める熊野筆®とは

 熊野筆®は、熊野筆事業協同組合が所有する「熊野筆®」の団体商標が付いた製品を指します。毛筆が主対象の「伝統的工芸品熊野筆」とは認定基準が異なり、画筆や化粧筆も対象になります。

 熊野筆®は、筆組合加盟会社が製造する厳しい基準を満たした事業者のみが製品表示することができる厳しい規則に則っているため、安心して選べる品質の高さが一番の特徴です。一本一本の毛の選定と加工を熟練した筆職人の手が行い、毛先の柔らかさや弾力、粉含みや発色のバランスが丁寧に整えられています。

次に、日本における筆の歴史に遡ってみましょう。

- 熊野筆®と筆の歴史

筆の伝来と発展(510世紀)

 筆は大和時代(古墳時代)に文字や仏教とともに日本に伝来し、飛鳥時代には聖徳太子が広めた写経文化により需要が高まりました。 正倉院には現存する日本最古の「天平筆」が保存されており、その精巧さが当時の技術力を示しています。 平安時代には弘法大師・空海による製造法改良や和様筆の誕生によって、日本独自の文字文化が発展。 平安末期には、装飾性の高い筆が作られ、国風文化を支える重要な役割を果たしました。

- 熊野と筆の結びつき(江戸時代末期)

 広島・熊野での筆づくりは、江戸時代末期に始まりました。農閑期に出稼ぎに出た人が筆や墨を仕入れ行商として持ち戻った経験が、若者たちの技術習得につながり、熊野での筆づくりが本格化しました。 明治期には学校教育用の筆として普及しましたが、第二次大戦後の習字教育抑制により、書筆の需要は徐々に減少しました。

- 化粧筆としての再生(昭和30年代~現在)

 昭和30年頃、書筆の技術を活かした化粧筆の需要が高まり、製品開発が進みました。昭和50年には熊野の筆産業が国の ”伝統的工芸品” に認定、また、平成16年には「熊野筆®」団体商標として登録されました。こうして熊野筆®は、化粧筆としても世界中で認められる存在へと進化を遂げています。


熊野筆®の魅力・種類・品質

- 熊野筆®の魅力
熊野筆®は、熟練の職人の手によって一本一本丁寧に作られる、細部までこだわり抜かれた上質な筆です。

 筆づくりは、毛の選定から始まります。職人は、毛の特性を見極め、用途に応じて最適な組み合わせを考えます。毛の柔らかさや弾力、メイクの場合は粉含み、文字や絵画などの筆の調子などを丁寧に調整しながら、一本一本束ねて仕上げています。この繊細な手仕事こそが、書や絵画、化粧など、あらゆる表現の幅を支える熊野筆®の魅力です。

 さらに熊野筆®は、触れた瞬間の感覚にも職人のこだわりが息づいています。毛先の微妙な柔らかさや弾力は、肌や紙に触れた瞬間に違いとして現れ、顔の印象や文字や絵の線まで影響を与えます。長年の経験と感覚に裏打ちされたこの精度が、世界中のメイクアップアーティストや書家、アーティストに信頼され、使い続けられています。

 熊野筆®は、日本の文化や美意識を映す伝統的工芸品としての価値も備えています。毛の選定から加工、組み立て、仕上げまで、伝統的な手作業を一貫して行う過程には、百年以上にわたる先人からの技術の蓄積が息づいています。丁寧な作りは、単なる道具ではなく、手にする人の所作や感性を豊かにする存在でもあります。完成した熊野筆®は、使うたびに職人のこだわりを感じられる道具であり、文化と技の結晶として、世界中で高く評価されているのです。

- 熊野筆®の種類と毛材

 熊野筆®には、書筆、日本画筆、洋画筆、刷毛、そして化粧筆など、多彩な種類があります。それぞれの筆は用途に応じた形状と毛の特性が精巧に設計され、文字や絵画、工芸作品など、あらゆる表現を支える存在です。

 熊野筆®に使われる毛材は天然毛と人工毛に分けられます。

 天然毛には山羊毛、馬毛、灰リス毛、豚毛等があり、それぞれの特徴を活かして筆づくりに用いられます。山羊毛の特長はしなやかで柔らかく、細やかな線や筆致を求める書筆や絵筆に最適で、化粧筆ではパウダーブラシにも多く使われます。灰リス毛は極上の肌触りを持ち、最高級の化粧筆はもちろん、精密で繊細な表現を必要とする作品への使用に適しています。馬毛は適度な弾力を備え力強く安定した線を表現でき、書筆の芯に多く使用されます。メイク材の粉含みもよく、チーク・アイシャドウ用の筆にも多く使用されてきました。また、豚毛は弾力とコシがあり、厚みのある筆致や油絵などのブラシに活かされます。

 一方、人工毛はPBT(ポリブチレンテレフタレート)繊維などのプラスチック樹脂から作られ、耐久性や水洗いのしやすさに優れています。天然毛との組み合わせによって、表現の幅をさらに広げることが可能です。

 このように、熊野筆®の毛材の選定は、用途や仕上がりのイメージに合わせて、筆職人が慎重に吟味し毛の柔らかさや弾力、束ね方まで緻密に調整されます。こうした丁寧な手仕事が、熊野筆®を単なる筆以上の道具に押し上げ、世界中の書家やアーティストから愛される理由となっています。

- 化粧筆としての熊野筆®

 熊野筆®の化粧筆は、長年培われた筆職人の技術と伝統製法を受け継ぎながら、時代のトレンドに追随し、次なる進化と発展の歩みを続けています。

 使用される天然毛と人工毛は、いずれも用途や肌あたりに合わせ、筆職人の厳しい目利きで選定され、最適な形状に仕立て上げられます。

 天然毛の中でも、山羊毛はなめらかで粉含みがよく、肌にふわりと溶け込むような仕上がりを生み出します。灰リス毛は繊細かつ弾力と粘りあるきめ細やかな肌触りが特徴。繊細なタッチが求められるフェイスブラシやハイライトブラシに最適です。

 人工毛には、PBT(ポリブチレンテレフタレート)繊維などの高品質な繊維が使用され、衛生的で水洗いがしやすく、耐久性にも優れています。近年は人工毛の品質が大きく向上し、天然毛と人工毛を組み合わせることで、理想的な発色や肌なじみを実現するハイブリッドタイプの筆も多く開発されています。

 近年、人工毛の品質向上がめざましく、SHAQUDAでは動物愛護の観点も取り入れ、人工毛へ代替できる商品開発に積極的に取り組んでいます。

 毛先の密度や角度、毛丈の長さまで緻密に調整された熊野筆®の化粧筆は、粉をムラなくのせ、肌との一体感を高めます。仕上がりの滑らかさと正確さが、世界中のプロメイクアップアーティストからも信頼を集めています。

 


熊野筆®メイクブラシの選び方とお手入れ

- 初めてでも失敗しない熊野筆®メイクブラシの選び方

 初めて熊野筆®を選ぶ場合は、用途に応じてブラシを選ぶことが大切です。大きめのブラシはファンデーションやパウダーの塗布に適し、顔全体を均一に仕上げることができます。小さめのブラシは、アイシャドウやアイブロウなど精緻なポイントメイクに最適です。初めて購入する場合は、ベース用とポイント用の両方が揃ったセットがおすすめです。

- 天然毛と人工毛の違い

 天然毛は柔らかく肌当たりが優れ、粉含みや発色も良いため、繊細な仕上がりを求める方に向いています。人工毛は耐久性が高く、水洗いもしやすいため、頻繁に使う方や衛生面を重視する方に適しています。ご自分の肌質やメイクスタイルに合わせて、最適な毛材を選ぶことが重要です。

 

- 熊野筆®を長く愛用するためのお手入れ方法
  

 日常の使用後は、ティッシュや専用スプレーで穂先の汚れを優しく拭き取ります。汚れがひどい場合は穂先に直接スプレーして拭き取り、毛先を整えた後、立てて乾かします。さらに汚れが気になるときは、ぬるま湯にシャンプーを溶かして振り洗いし、しっかりと汚れを落とします。乾燥時には穂先の形を整え、タオルの上やブラシ立てで、直接日光を避けて乾かしてください。


熊野筆®ブランド 

 筆の里・広島県安芸郡熊野町には、熟練の筆職人による手仕事を受け継いだ熊野筆®のメーカーズブランドが数社あります。またそれらの会社が委託を受けて製造するブラシも熊野筆®として販売されています。

 熊野筆協同組合で定められた厳格なルールにのっとった製法で製造され、かつ、認証を受けた熊野筆®には、熊野筆®ブランドマークである「Kマーク」がパッケージや取扱説明書などに貼られていますので、ご購入時の参考にしてください。


SHAQUDAが描く新しい熊野筆®の姿

- SHAQUDAとは

熊野筆®の伝統技術と、洗練されたデザインが融合した新時代のブラッシュブランド「SHAQUDA」。

手仕事で仕上げたこだわりの穂先と、ひとや環境にやさしいシンプルなデザインが、使う人の所作を美しく、素肌に快く、こころに映るけしきを豊かに満たします。

SHAQUDA
は、江戸時代から続く熊野筆®の伝統を受け継ぎながら、現代のライフスタイルに寄り添う新しい価値を提案します。

選毛・整毛・山出しといった熟練の技を守りつつ、用途に応じた毛材の選定や、使いやすさを追求した設計で、日常を贅沢なひとときへと変えていきます。

 

- ブランドの世界観

SHAQUDAのブランドコンセプトは「けしきをみたす」。

美を追求する道具であると同時に、感性を刺激し、心と暮らしに潤いを与える存在でありたいと考えています。

その世界観は、国内外の美容業界やセレクトショップからも注目を集めています。

- デザイン性と使い心地の両立

SHAQUDAのブラシは、シンプルで洗練されたデザインと、用途に応じた毛材の選定による機能性を兼ね備えています。 

化粧筆で紅を引く優美な仕草や、お抹茶を点てるしなやかな所作にインスパイアされたフォルムは、使う人の所作を美しく魅せ、手指にしっくりと快くなじみます。

日々の暮らしをアップグレードし、時を経ても愛されるデザインは、真の贅沢を感じさせる新しいスタンダードです。

- 心を満たすギフトとして

SHAQUDAのブラシは、その繊細な毛先や使い心地の良さ、洗練されたデザインにより、日常のメイクを特別な時間に変えてくれます。

こうした特長は、自分用としてだけでなく、贈り物としても喜ばれるポイントです。高級感と実用性を兼ね備えており、記念日や誕生日などの特別なギフトシーンでも、使う人の喜びやコレクションする楽しさを同時に贈ることのできるアイテムです。

 


まとめ

お読みくださり、ありがとうございました。

熊野筆®の化粧筆は、正しい選び方とお手入れを行うことで、長く快適にご使用いただけます。

SHAQUDAのブランドコンセプト「けしきを みたす」には、熊野筆®の歴史や化粧筆としての魅力と、SHAQUDAブランドの価値が込められています。これらをよりご理解いただき、日常のメイクやライフスタイルをより豊かにしていただきたいことが、SHAQUDAの願い。

SHAQUDAの化粧筆は、単なる道具以上の存在として、生活に潤いを与えるアイテムです。購入やギフト利用にも最適です。

 

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